自由と平等

最近ますます,自由が強調されるようになってきた。新保守主義の自己責任論による自由である。
一方で,社会的・経済的格差,社会の階層化がいわれている。
新保守主義の自由論の横行によって,そのようなゆがんだ社会の現実が,存在しないかのようである。
このような自由は不公正な自由だ。
例えば,教育の階層化の問題では,親の収入によって子どもの将来が左右されることになっている*1
人生のスタートにおける実質的な機会の平等が保障されないのだ。
このような不公正を是正するためこそ政府は存在している。自治・分権の歴史的趨勢のなかで教育における自治体の役割は大きい。
公立学校における教育など,社会的な弱者の側に立った政策により格差を是正していくのだ。

*1:苅谷剛彦『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社,2001年)階層化日本と教育危機―不平等再生産から意欲格差社会(インセンティブ・ディバイド)へ