枝野さん

私が始めて選挙のボランティアをしたのは,1996年の枝野幸男さんの総選挙でした。
自由民主党内に組織された「ユートピア政治研究会」以来,さきがけの人たちに共感を覚えていたので,「さきがけ塾」に応募したことがありました。
そのときのデータで枝野さんのパンフレットが送られてきました。
理念や政策に共鳴できたので,一度,選挙前にオープンミーティングに参加して枝野さんの話を聞きました。能弁で緻密な枝野さんの話にすっかり魅了され,ポスター張りぐらいはできるだろうと思い,選挙のボランティアに参加しました。
ところが,選挙事務所には,人が全くいなかったので,すぐに街頭宣伝車に乗せられて,カラスをやらされました。そこで何度も枝野さんの演説を聞きました。官僚に依存するのではなく,官僚に対抗して政策の立案を行わなければならない。それは政策を具体化するものとしての議員立法である*1。との訴えに目からうろこが落ちるような新鮮さを感じました。自分も,官僚に対抗し,理念や政策を立法というかたちで具体化したいと思うようになりました。また,ことばの力を信じている枝野さんの姿勢に打たれました。
ここでの経験が,私の政治家としての姿勢を決定したと思います。
ひとつは,自治体で条例を制定して,政策を具体化したいということ,そして街頭演説です。
また,お金をかけない政治という点でも枝野さんには見習うべきところがあります。
その時,事務所はつぶれそうな木造で(バスが通ると揺れる),用意された食事も食べ放題とはいえ「コンビニのおにぎり」だけでした。秘書は5人*2で,それに加えて学生のアルバイトが数名いただけです。それ以外の人たちは全員ボランティアだったのではないかと思います。
何回か選挙のお手伝いをしたことがありますが,最も質素な選挙でした*3

*1:とくに,この頃は菅直人さんの官僚に対抗する,薬害エイズ問題への取り組みが脚光を浴びていました。

*2:現在,政策担当秘書だった本多さんは衆議院議員に,地元担当の秘書だった高木さんはさいたま市議会議員です

*3:もちろん,1000万ぐらいはかかっていたとは思いますが