小林慶一郎

ec319132009-10-05

朝日新聞』2009年9月24日

経済的自由主義は,個人や企業の利益追求などの私的活動の自由度を高めることを目的とする。小さな政府や規制緩和による市場競争の促進などの政策を志向する。
個人の利己的行動を自由にしようとする「私的自由」主義。
小泉政権は)経済的自由を政治的価値として主体的に追求することを,日本で初めて事実上宣言した政権。
個人が市場で経済的自由を追求するためには,競争に負けたり引退したりしたときの救済策の充実が必要だ。ところが実際の小泉構造改革は,社会保障を削りすぎ,市場競争への不安と不満をかきたてた。結果的に,国民生活への配慮に欠けた粗雑な市場万能主義に陥ってしまった。