枝野幸男オープンミーティング

テーマ「政権交代と政党の役割 党県連代表就任にあたって」
衆議院で241議席獲得する。
民主党議席にも地域によって偏りがある。四国では小選挙区議席はわずかに1議席である。いい候補者を立てて選挙を戦ってもおのずから限界がある。
政権交代を実現するためには,民主党が強い地域で議席を伸ばさなければならない。
2003年の総選挙では,埼玉県内15小選挙区民主党の8勝7敗であった。そのうち5人が比例区で当選している。惜敗率が高いのだ。少なくともこの5人が小選挙区で勝利しなければならない。

政権交代政権交代自体が大切なこと。権力は腐敗する。したがって,担い手が,権力がしがらみを断ち切るために,変わることか大切だ。
今は時代の変わり目だ。だから政権交代が必要だ。明治維新以降の官僚主導の追いつき追いこせから,人口減少社会の新たな舵取りが必要である。

  • 県連代表として

補完性の原理」で組織運営を考える。
まずは,総支部が自前で行う。総支部で行えないことは県連が,県連が行えないことは党本部が行う。
自己責任と自己判断で行動することを県連の方針とする。
司,司に任せて行う。そして戦略的に動く。
1)民主党に対する支持の裾野を広げる 市民活動局
NPOとの協働。
選挙に直接役に立つかではなく,民主党に関心を持ってもらう。
無所属の自治体議員とのネットワークを構築する。

2)医師会,農協といった利益団体との交流 団体交流局
医師会,農協などは自民党支持が当然という風潮だが,なぜ自民党支持なのか。
民主党からも情報発信を行い,自民党民主党に対するネガティブキャンペーンに抵抗する。自民党の支持団体だと思われているこれらの団体を無力化・中立化していく。
そして,団体としてではなく個人として民主党を選挙の選択肢に入れてもらえるようにする。

3)政治スクール 2005年の夏から,遅くとも秋から行う。
①政策を伝える
自治体議員や国会議員がそれぞれの専門分野について話をして,民主党の政策を伝える。

②候補者予備軍を作る
2007年の統一自治体選挙へむけて,政治家になろう/なってみようかなと考えている方々のための選挙講座など,実践的なセミプロ向きの講座を長期間にわたって行う。
候補者公募では,短期間で候補者の資質を見極めるのは難しい。また,公募だと合格したら立候補しなければならなくなり大きな決断が要る。

政治スクールはきっちり予算を取り,広報局が新聞広告を行うなど積極的に活動をPRする。

1)今までの野党とは違うのだ。
2)つまらない妥協はしない。
今までの野党は中途半端な妥協ばかりしていた。
民主主義は多数決,多数派は自民。だから政権交代が必要なのだ。
少数派の野党の意見が,多数派の自民に駆逐されるのは当然である。
例えば,橋本派の1億円献金問題は不当ではあるが,証人喚問は多数決で決まる。証人喚問できないのは当然である。

憲法と年金は政権選択とは別である。
憲法改正の発議は国会の3分の2が必要であるから自民(公明)と民主が話し合って決めるしかない。自民党的な改憲案などというものは成立するはずもなく,このような安部晋三幹事長代理の主張は究極的な護憲派だ。
年金についても私たちの20年30年後のことを決めるのであり政権交代のたびに制度が変わるのは好ましくない。(だからスェーデンでは与野党の話し合いで年金制度の改革が行われたのですね。カッコ内は筆者注以下同じ)

  • 質疑応答

共産党がすべての小選挙区に候補者を立てないことは民主党に有利では?
選挙は足し算,引き算ではない。これらの分析は,投票に行っている人の票を動かしているだけ。投票にいっていない人に投票に行ってもらうことが大切。
共産党が立てないと自民党ネガティブキャンペーンの対象になりかえってマイナス。むしろちゃんと立てて欲しい。

○総支部によっては日常活動が足りないところがある。日常活動のパターンを作っては?
きちんと総支部に報告させる。県連の年次活動報告に一覧表として掲載する。
民主党だからといって投票してくださいとはいいません。やれない人は落としてください。
でも,それでも自民党よりはましかと思う。(当選1,2回の人には相当ひどい方がいるそうです。今は当選回数が少ないからいいけれど,このままだと容赦はしないとおっしゃっていました。)
大阪市の例でも明らかなように地方も腐敗しているが,分権が進んで,いかにそれをチェックするのか?
分権をすれば,人材と関心が集まり,よくならざるをえない。どの自治体に住むかによって損得が露骨に出るようになる。
地方に任せて大丈夫かとの不安に対しては,明治維新のときはド素人の田舎の侍が中央政府をまわしていたと答えるべきだ。
○パフォーマンスについて
自分自身は,パフォーマンスをしないのだというパフォーマンスを行ってきた。パフォーマンスをしないのだということを伝えてきたと自負している。
民主党はパフォーマンスが下手だ。それを自覚するべきである。したがって,タレント候補には反対である。
○いつまで政権準備党なのか?
次の選挙まで。
それ以上長くなると,日本がアルゼンチン化してしまうなど,とりかえしのつかないことになる。
そろそろ与党を経験しないと,万年与党体質がしみつく恐れがある。

久しぶりに参加してとても楽しかったです。脳が刺激された思いがしました。
枝野さんは会話を楽しんでいるような愉快な話し振りです。
昨日はいつもの土曜か日曜の昼とちがって,平日の夜に開催されたのでいつもは200人以上という感じですが,参加者は100人くらいでしたが,自主的に参加されている方々だけに熱気がありました。ちなみに私が初めて参加した1996年秋のオープンミーティングは30人ぐらいでした。