政治家として目指すもの

<個>の連帯による新しいコミュニティ
 私は政治家として,自立した個人が連帯する新しいコミュニティを創造したい。それは,個々人が相互に「助け合い」,「支えあう」ことを価値とするような社会を作り上げることである。
私たちは,「モノの豊かさ」よりも「こころの豊かさ」といった非物質的価値を求めている。「こころの豊かさ」は,地域における豊かな人間関係といった多元的なコミュニティによって得られるものだ。にもかかわらず,私たちの生活の日常風景となった,グローバリゼーションとモータリゼーションによる中心市街地の空洞化,あるいは空洞化した中心市街地に乱立する高層マンションなどによってコミュニティは破壊されている。相互の人間関係はよりいっそう希薄化しているのである。「こころの豊かさ」を追求しているにもかかわらず,人間ですら「モノ」と見なす,手段にすぎない市場原理主義によって「こころ」が破壊されているのである。私たちが求める「こころの豊かな」人間的な生活のためには,コミュニティを再生しなければならない。
そのきっかけになるのが,貨幣的な価値を捨象し,利用者の共感と,需要ではなく必要によって成立する非営利組織であろう。例えば,地域社会で少子高齢化を積極的に受け止め,少子高齢化社会のさまざまなニーズにこたえようとする非営利組織である。高齢者の介護やこどもの保育,障害者の自立生活支援などが地域の人々を結び付けていくのだ。
つまり,自治体政府の役割は行政以外の主体や人と人を結びつけるようなガバナンスである。しかし,実際の自治体は国と同様に公共事業に偏った税金の使い方を行っている。地域社会の中に,新たな人間関係のネットワークを構築するためや,新しい内実を備えたコミュニティを再生するためではなく,「モノ」や「コンクリート」に税金を使っているのだ。
私はこの切実な課題を解決するために,自治体議員として働きたいと考えている。