朝日新聞』2月10日
安部修仁 吉野家ディー・アンド・シー社長

正直言って根拠があったわけではない。
牛丼さえ出せば前と同じになるというのは幻想だ。いま牛丼を出しても以前より値段は上がり,質も期待できない。お客様の期待が高ければ高いほど失望感も大きい。短期的な利益にはつながるかもしれないが,後で絶対に後悔する。
この1年は吉野家の進化形をつくる壮大な実験だった。
消費者の声,事業者の痛みを代弁し,顕在化していくことが私の使命と考えている。

経験に裏打ちされて,言葉が生きていると思う。
「代弁し,顕在化していく」との考えは政治にも共通する。