木下社会学

家族はなぜ介護してしまうのか―認知症の社会学

木下衆『家族はなぜ介護してしまうのか」(世界思想社、2019年)

社会学の博士論文だが、認知症介護の教科書であり、

様々な術語がちりばめられていて、社会学の学習にも最適だと思う。

新しい認知症介護の考え方が、家族の介護を必然化する。

介護の社会化が進展しても、その人らしさを介護に求めるとその人らしさを知ると思われる家族が主とならざるを得なくなる。

認知症介護の中で、被介護者のその人らしさを探求する過程で、過去にまでさかのぼって、家族の関係も見直されていく。果たして自分は、彼/彼女のことを知っていたのかと。

より良い介護の追求が不断の自己省察を要求する構図。

 

認知症の著作だが、認知症自閉症と置き換えても、

かなりの議論が妥当するのではないかと感じる。

よき著作が持つ普遍妥当性である。

自らの生活や人生を考えさせる著書であった。