民主と愛国

建国記念の日は、紀元節であり、神話を根拠とするものである。

しかしながら、記紀神話は私たちの源ともいうべきものであり、それぞれの社会の在り方の独自性の表現である。その固有性を尊ぶことは、この社会の一員として、その成り立ちを考究したいと考えるものにとっては、独善的な排他性を旨とする議論にはならない。

したがって、建国記念の日にこの社会の固有性を考え、かつ、立憲主義的民主主義を考えることに矛盾は存在しないが、社会の在り方は民主と愛国に分裂している様相である。

これは、一方の側が権力をほぼ独占してきた社会のありようが災いしているのではないか。私たちの社会の私たちの権力ではなく、権力は抑圧する手段との認識である。

社会契約論的に社会と権力の成り立ちを考え、自分たちがつくりあげた権力が、自分たちの社会を形成し、価値を作り出していく。

自分たちが作り上げた国家であるならば、民主ゆえの愛国となるであろう。