石破茂農林水産大臣

慶應義塾高等学校慶應義塾大学法学部政治学科,三井銀行
朝日新聞』2009年5月27日
北朝鮮は体制の維持と北朝鮮主導による朝鮮半島統一ということは一度もぶれてはいない。その手段としてミサイル,核実験と着々と進めている。
後ろ盾に中国がいれば,経済制裁をしようが何をしようが,それでいいということになってしまう。
中国にしてみれば,核のある朝鮮半島統一は全然望まない。
北朝鮮にしてみれば米国と友好平和条約の締結をすれば,スポンサーとして日本がついてくる。
要は米中で話す段階に来たということだ。
核不拡散体制の維持ということに共通の利益を見いだす米中の話し合いをしてもらわないと,前に動かない。
今回の核実験を見れば核を制御する力を相当持ってきたようにみえる。小型化だってありえない話ではない。
核をどのような時に使い,どのような時に使わないのかという協議が必要だ。
(中距離核弾頭ミサイル)ノドンがどこにあるのか分からないのにどうやってたたくのか。200期配備されているとして,二つ三つつぶして,あと全部ふってきたらどうするんだ。まことに現実的でない。
経済制裁は『やるぞ』ということに意味があるのであって,やっちゃったら,それに合わせて向こうは考える。
核ミサイルの脅威を取り除き,北朝鮮が国際社会に復帰して話ができる状態になるということが,拉致問題解決のためにはきわめて重要だ。
拉致も核もどっちも大事なのだ。
北が核ミサイルを持っていても,日本の独立と平和,国民の生命と財産は守るというきちんとした体制をつくる。
着実に抑止力を高めるのが大切なのだ。
脅しに屈しない抑止力の確立。
北朝鮮が見ているのはあくまでもアメリカ。日本はプライオリティーが低い。


石破さんの主張は,明確で分かりやすい考え方である。