苅谷剛彦 書評抜粋『朝日新聞』2005年3月27日

自分にも周囲の他者からも見えない<自己の一部>がある。それは,自分にも周りの人にとっても,できれば直視したくない「つごうのわるい」自分である。
自分たちとは一見縁遠い「疎外/抑圧された第三者=少数者」の視点を借りると,自分たちも「おなじアナのムジナ」。
知らぬまに,加害者になっている自分が見えてくる。